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言葉を失ったら
彼方へ眼を投げてみろ
遠い内部が泡立ち海になるとき
錘りになって沈んでいくのさ
島では地のうねりを渡って
思考が崩れる ほら びろう樹は
古代の風に向って畏怖におののいたぞ
もう 陽は放心するしかなかったのか
――「風の覇権」より
不可視の原境、古謡、そしてエロス――。沖縄の戦後文学史上、もっとも先鋭にして重要な詩人が、灼けた韻律の深淵から帰還する。
自身の内域を微分するように、伊波普猷、比嘉春潮、折口信夫、柳田国男ら沖縄思想の系譜を描く、単行本未収録の連載「沖縄・私領域からの衝迫」にくわえ、南島歌謡をその根源へとたどりゆく黒田喜夫論、藤井貞和論などを収める。
詩人の前著より34年ぶりとなる奇跡的な詩+論集。
菊変判並製276頁/2018年8月刊
目次その他の本書の詳細は、以下のサイトをご覧ください。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907986476
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